妊娠到達率の30%向上をめざして。
鍼灸による不妊治療とは、下腹部などの血流を促進して、子宮や卵巣の機能を向上させることを目指します。
今月に排卵している卵子は、数ヶ月前から、排卵にむけた生育を始めたものです。鍼灸の効果を期待するには、その時間の余白を織り込む必要があります。体質を向上させて、良い卵子を望むのであれば、3ヶ月以上の期間を考えて下さい。
はじめに、日本生殖鍼灸標準化機関 JISRAM(ジスラム) の簡単な紹介をさせて頂きます。
JISRAMは不妊鍼灸を臨床研究し、効果と根拠を示せる治療を検討する機関です。検討を基にして、現段階で最良と考えられる施術を提供します。
例えば、体外受精の採卵に向けては、卵子の質の向上をめざす育卵鍼灸。受精卵の移植に向けては着床鍼灸など、その時に応じたプロトコル(手法・手順)で施術を行います。
最近では不妊専門のクリニックでも鍼灸を取り入れ、多様化するニーズに応える施設が増えています。JISRAMの会員は、不妊専門クリニックで施術に携わるなど、多くの場で活躍しております。
そのような活動により、JISRAMは臨床数トップクラスの生殖専門医からも信頼を得て、多数の推薦を頂いております。
当院では、これまでに400名程の鍼灸不妊治療を行って参りました。(2018年5月現在)
また、簡単な経歴として、乾マタニティクリニック内で不妊鍼灸を担当。小森山産婦人科で周産期の愁訴外来を担当するなど、婦人科領域に長く携わっておりました。
これらの経験を活かして、これからも希望の一助になれるよう研鑽を重ねます。
鍼灸の場合、標準的には
を用います。
その上で、短時間で効果を上げるために一部の鍼に治療の通電を行います。冷えなどの場合にはお灸をする場合もありますが、極小のものですので、ほとんど痕にもなりません。
骨盤に歪みがある場合には、これを改善する整体(矯正手技)を行うこともあります。これは、骨盤内の不自然な圧迫や血流を改善し、卵巣などを健全な環境におくことが目的です。
さらに、スーパーライザーというLLLT療法(低出力レーザー光線治療)を使います。LLLT療法は不妊専門の病院でも行われています。
これを首の星状神経節や、腹部の動脈などに照射して、卵巣などの血流が増加するように働きかけます。鍼灸とレーザー治療を併用することで、より成績が上がります。
1回の所用時間は30分から40分くらいです。
治療の間隔は、タイプにもよりますが1週間に1回程度です。
骨盤は、生理の周期によってわずかですが開閉運動を繰り返しています。生理の時には開き(弛み)、排卵時期にもっとも閉じます(締まり)。
骨盤の開閉はとても重要です。
例えば生理痛などは、生理時期に骨盤がうまく開かないことも要因と考えます。
当院では、不妊治療のためにこの骨盤リズムに着目します。骨盤の異常な緊張、こわばりを手技的に解放して、理想的な周期開閉運動に近づけること。
現時点で効果の根拠となるデータはありませんが、見逃すことができないポイントだと考えます。
検査をしても異常がないのに、何故か妊娠しない。
このような状態を説明するのに、私は体の中の日陰という喩えをします。
体の中に日向(ひなた)と日陰(ひかげ)がある。日向とは、いわば血液循環もよく元気の良い状態。日陰とは、血行がわるく、異常ではないが機能的に盛り上がれない状態のイメージです。
日陰は何故起こるのでしょうか。
骨盤でいうなら悪い姿勢が関係するかもしれません。ストレスなど精神的な問題もおおきく関係しそうです。
いずれにしても、日陰を日向にすると、いままで育たなかった作物が育つように、当たり前のことが当たり前にゆくようになる。
治療は、体の中の日陰を、日向にすることだと考えます。
するとほとんどの方がこのように答えます。
「私は冷え性もあり、そのような体質が改善したら妊娠しやすくなるのではないかと考えたからです。」
まず期待しているのは体質の改善です。
ところで、意外に思うかもしれませんが、冷え性などの改善はそれほど難しいものではありません。当院において冷え性のスコアをつけるアンケートを行い、実際にどのくらいスコアーが改善するのかを調べたことがあります。ほとんどの人が数回の治療で改善してきます。
ご期待の通り、確かに鍼灸治療は体質の改善を促します。
しかし、体質の改善だけでは真の目的である妊娠にはつながりません。もっと戦略的に計画して、治療をデザインする必要があります。
例えば、採卵成績を上げるという目的があるのであれば、排卵される卵子が成長を始める数ヶ月前から、卵巣の血流がよくなるような治療を継続的に行うということが考えられます。
受精卵の移植を行う場合には、着床がし易い状態に免疫系を調整することを考えます。
疑問点がございましたら、お気軽にメールなどでお問い合わせください。なお、その際は、これまでの経過などを付記していただきたいと思います。